東洋大学の竹中平蔵教授は24日、都内で「新しい成長戦略と働き方改革の未来」と題して講演し、このほど成立した働き方改革関連法について、「大きな前進だが、法案の一部が2015年に国会提出されてから3年も過ぎており、ほんの入り口に立ったに過ぎない」と厳しい評価を下した=写真。
竹中氏は、世界的に進展しつつある「第4次産業革命」に日本が乗り遅れている実態に懸念を示し、要因の一つに各種の規制を挙げ、「規制を取り除かなければならない」と強調。労働分野では、産業構造の変化に対して労働市場は硬直化しており、それが過労死問題などにつながっている点を指摘。日本に金銭解雇のルールがないことを例に挙げ、「労働市場が流動化すれば、企業の新陳代謝をもっと図れるはずだ」と述べた。
また、外国人労働者問題についても触れ、「これから法律を作る段階だが、受け入れ産業を特定して低賃金を容認するような制度にすべきではない」と警告。受け入れ基準の明確化の必要性を強調した。
講演は同氏が会長を務めるパソナグループのHRフォーラム「創る!働き方の未来」の中で行われた。