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2018年7月19日

裁量労働制の調査データ処理問題  労働基準局長ら懲戒処分、厚労省 

 裁量労働制に関する不適切な調査データ処理問題で、厚生労働省は19日、一連の対応の監督責任を問い、山越敬一労働基準局長を戒告の懲戒処分とした。また、蒲原基道事務次官と宮野甚一厚労審議官を訓告、労働基準局総務課長ら2人を厳重注意処分にした。同省の監察チームによる報告書では、相次いで発覚したデータミスの原因は担当職員の確認不足にあったと指摘したうえで、厚労相や副大臣ら政務三役など政治家からの指示はなかったとしている。

 今国会で成立した働き方改革関連法には、当初、裁量労働制の対象業務拡大が盛り込まれる予定だった。厚労省が、質問方法の異なるデータを比較して一般労働者の労働時間の方が長くなるという結果を出し、これを踏まえて安倍晋三首相が1月の衆院予算委員会で、「平均的な方で比べれば、裁量労働制の労働時間が一般労働者より短いというデータもある」と答弁。裁量労働制の効果を強調したが、2月14日に「1月の答弁を撤回するとともに、おわび申し上げたい」と謝罪した。その後もミスが見つかり、2月末に裁量労働制の対象業務拡大の全面削除に至った。

 調査データは厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査結果」で、この問題の拡大などによって、政府が2月下旬を目指していた働き方改革関連法案の国会提出は4月6日まで大幅にずれ込んだ。

 

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