厚生労働省は6日、2017年度「過労死等の労災補償状況」を公表した。それによると、脳・心臓疾患の労災請求件数は840件(前年度比15件増)で、そのうち業務上と業務外の決定件数は664件(同16件減)。決定件数のうち、業務上と認定した支給決定件数は253件(同7件減)となり、認定率は38.1%(同0.1ポイント減)だった。
死亡事故は、請求件数が241件(同20件減)、決定件数は236件(同17件減)、支給決定件数は92件(同15件減)、認定率は39.0%(同3.3ポイント減)となり、近年では最低クラスとなった。
これに対して、精神障害の労災補償は請求件数が1732件(同146件増)、決定件数が1545件(同190件増)、支給決定件数が506件(同8件増)、認定率は32.8%(同4.0ポイント減)となった。請求件数、支給決定件数ともに過去最高。
このうち、自殺(未遂を含む)は請求件数が221件(同23件増)、決定件数が208件(同32件増)、支給決定件数が98件(同14件増)、認定率は47.1%(同0.6ポイント減)となった。
請求件数で多い業種は、「社会保険・社会福祉・介護事業」の174件、「医療」の139件と医療・福祉分野が例年同様に突出して多く、支給決定件数はそれぞれ41件だった。また、決定件数の1545件を就労形態別にみると、正社員が1286件で83%と圧倒的多数を占めている。
一方、裁量労働制下の就労者の労災は、脳・心臓疾患で決定件数6件(うち支給決定件数4件)、精神障害で19件(同10件)あった。裁量労働制には専門業務型と企画業務型があるが、脳・心臓疾患、精神障害ともに専門業務型の方が多かった。