法務省と厚生労働省は3日、昨年11月施行の「外国人技能実習適正化法」に基づき、愛媛県宇和島市の縫製会社の技能実習計画を取り消した。計画認定の取り消しは、同法施行後初めて。この会社は今後5年間にわたって実習生の受け入れができない。
両省によると、同社は今年2月から4月、短期滞在資格の中国人2人を不法に縫製工場で働かせていたとして、5月に入管難民法違反の罪で罰金30万円の略式命令を受けている。
新法となる適正化法では、実習実施者(受け入れ企業)が実習計画の認定を受けなければならない。不法就労などによる有罪確定は、認定取り消しの要件に該当する。
1993年の実習制度導入以降、入国管理法や労働関係法令の違反が絶えず、国内外から人権上の批判も挙がっていた。一方で、時代に合わせた対象職種の拡大や実習期間の延長を求める要望が相次いでいたため、政府は新法の施行で「問題の解消」と「制度の拡充」の両面を並走。施行後の運用が注目されていた。
【関連記事】
11月施行、新法に基づく外国人技能実習制度
監理団体の許可制、技能実習計画の認定制など導入(2017年10月16日)
外国人技能実習適正実施法、今年11月施行
政府が閣議決定(2017年4月4日)
新法の技能実習法と改正入管法、28日付の官報で公布
認可法人の新機構は設立準備開始
実習法は来年秋までに施行へ(2016年11月28日)