厚生労働省が29日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.60倍となり、第1次石油ショック直後の74年前半に記録した1.6倍台に並んだ。都道府県別(就業地別)では福井県の2.23倍が最高で、最低は北海道の1.19倍だった。
新規求人倍率は2.34倍で前月比0.03ポイントの低下。新規求人数(原数値)は前年同月比5.5%増で、業種別では製造業の同9.2%増、教育・学習支援業の同9.0%増、建設業の同8.8%増などが高水準。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.10倍となった。04年の調査開始以来の過去最高を更新した。
5月の完全失業率、2.2%に低下
総務省が29日発表した5月の就業者数は過去最高の6698万人で、前年同月比151万人増、65カ月連続の増加となった。完全失業者は158万人で同52万人の減少、96カ月連続の減少となり、完全雇用の状態が続いている。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の2.2%。2月から3カ月連続で2.5%が続いていたが、5月に再び低下した。これは1993年前半当時の2.3%台をさらに下回り、92年8~10月当時と同じ水準。男女別では男性が2.4%、女性が2.0%。
雇用形態別では、役員を除く雇用者5590万人のうち、正社員は3511万人で前年同月より74万人増。非正規社員も2079万人で同76万人増となり、非正規率は37.2%と前月比0.6ポイント低下。非正規のうち派遣社員は136万人で同4万人増加した。4月から始まった無期転換ルールの影響はまだみられない。