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2018年6月20日

医療費助成外れた軽症者など約15万人  難病法経過措置切れ、厚労省が暫定値公表

 厚生科学審議会の難病対策委員会(千葉勉委員長)が20日開かれ、事務局の厚生労働省が医療費助成の経過措置終了後の支給認定状況(暫定値)を公表した。それによると、昨年末時点の経過措置適用者は約72万7000人だったが、今年1月から新基準が適用された結果、6月時点で引き続き認定された患者は約57万7000人、不認定となったのが約8万4000人、申請なし・不明が約6万4000人となった。

 2015年1月の難病法施行に伴い、医療費助成の対象は従来の56疾病から331疾病に増えたが、同時に助成対象が重症度や所得水準などで細かく分かれ、軽症者への助成はなくなる新基準が適用された。しかし、56疾病の場合は激変緩和措置として、3年間の旧基準の適用が認められた。それが昨年末で終了し、今年から新基準が適用された。

 このため、助成の対象外となる軽症者がどの程度出るか注目されていたが、この日の暫定値からは約11.6%が対象外になるとともに、当初から申請を諦めた人などが約8.8%あり、両者を合わせると20%以上が助成から外れる結果となった。難病法は5年後の見直しが決まっており、今年後半にも議論が始まる見通しだが、軽症者の扱いが大きな焦点になりそうだ。

 一方、同委員会に先立って開かれた小児慢性特定疾患児への支援専門委との合同委員会では、難病患者と小慢疾病児のデータベースの利活用について、厚労省の最終案が示され、了承された。データ提供・管理などについて慎重を期す必要があることから、7月中にも「データ提供に関する有識者会議」を設置。同会議でデータの提供先や利用目的などの審査基準を設け、19年度からの申請受け付けを開始する見通しだ。

 


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