日本人材派遣協会(JASSA、水田正道会長)は19日、東京都内で2018年度定時総会を開いた=写真・上。任期満了に伴う役員改選で、水田会長(パーソルホールディングス社長)を再任。副会長には田﨑博道氏(東京海上日動キャリアサービス社長)と阪本耕治氏(スタッフサービス・ホールディングス社長)が就任した。本年度は、政府が推進する「働き方改革」に伴う労働政策の動きなどをとらえ、「派遣社員のキャリア形成支援」と「労働者派遣法・労働関連法規への対応」を中核事業に、会員会社の事業展開に役立つ活動を推し進める。
総会では、理事・監事選任の議案のほか、水田会長が報告した17年度事業報告と決算を満場一致で承認した。また、18年度事業計画では、労働時間の上限規制や同一労働同一賃金を盛り込んだ「働き方改革関連法案」の成立を念頭に、派遣社員の就業機会創出や処遇改善に関する影響などを考慮し、労働政策の迅速な動向把握と会員への周知を強化する方針だ。
キャリア形成支援については、eラーニングシステム「JASSAキャリアカレッジ」のコンテンツ拡充や、会員企業の営業・コーディネーターらを対象とした「キャリアカウンセリングスキルアップセミナー」を全国10都市で開催。メンタルヘルス推進担当者の育成を支援する講座も実施する。
総会後に開かれたセミナー=写真・下=では、同協会理事の大原博氏(ビッグアビリティ社長)が「雇用安定措置への対応及び働き方改革関連法案の動向」と題し、労働法関係で事業者の関心が高い項目に焦点を当て図解を交えながら解説。また、今夏以降、労働政策審議会で具体的な運用方法などが議論される見込みの派遣法における「派遣先の労働者との均等・均衡による待遇改善」、「派遣元との労使協定による一定水準を満たす待遇決定」――のいわゆる「選択制2方式」に関する着眼点を説明した。
懇親会で水田会長は、「働く人をひきつける魅力ある企業でなければ成長が望めない時代の中で、人材派遣業界に対する期待が多面的に高まっている。派遣社員一人ひとりを主語に置き、待遇向上など業界として何ができるか真摯(しんし)に向き合い、ともに力を合わせていこう」と呼び掛けた。