公益社団法人・全国求人情報協会(鈴木孝二理事長・正会員68社)は8日、「求人情報提供ガイドライン」を順守し、すべての会員会社で「適合メディア宣言」を目指す、と発表した。同宣言の制度は、厚生労働省が6月1日からスタートさせた取り組みで、業界の適正化に向けた自主的な動きを促進するのが狙い。8日までに、同協会の40社109メディアが宣言した。
同ガイドラインは、2016年度に始まった厚労省の委託事業「求人情報提供の適正化推進事業」の一環で、15人の委員で構成する「求人情報適正化推進協議会」が検討・策定。求職者が安心して選べる求人情報の質の向上を図るため、求人情報の掲載前後に確認する事項や表現に留意すべき事項、掲載明示項目などが分かりやすく掲載してある。今年1月に施行された改正職業安定法を踏まえた内容になっている。
1日からスタートした「適合宣言」制度は、求人メディア各社が自己責任に基づいて行う仕組み。同ガイドラインの順守を前提に、求職者の声に向き合い、適正化に向けて取り組みを実行し、読者・ユーザーからの信頼を得るための経営的不断の努力を続けることがポイントで、厚労省は「自らの宣言によって適正化に積極的に取り組んでいくよう期待している」と述べている。宣言はメディアごとに行い、それぞれの媒体で公表する。窓口は同協議会事務局。
8日、都内で記者会見した鈴木理事長は「求職者が勤め始めた会社を早期に離職する際の理由として、求人情報そのものが想定と違っていたとの声も聞かれる。30年以上にわたって自主規制の取り組みに注力してきた全求協としては、ガイドラインの策定や法改正など国の動きに歩調を合わせ、さらなる質の向上に努めていく」と決意を示した。