東京商工リサーチが10日発表した昨年「障害者就労継続支援事業等」の倒産件数は23件(前年11件)と2倍に増え、最多件数を更新した。また、倒産以外の「休廃業・解散」などで事業活動を停止した事業所は39件(同38件)にのぼり、障害者の就労支援事業を取り巻く経営環境の厳しさを浮き彫りにした。
同社によると、障害者就労支援事業は給付金や助成金を支えに新規参入が目立つが、ここにきて経営に行き詰まるケースが相次いでいる。特に、雇用契約を結んで賃金が支払われる「就労継続支援A型事業所」では、倒産による障害者の大量解雇も起こり、行政を含めた支援策が問われている。
障害者就労継続支援は、一般企業への就職が困難な障害者を対象に就労の場を提供するもの。雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型」と、契約は結ばない「就労継続支援B型」の2種類がある。事業所は国や自治体から給付金や助成金を受け取ることができる。
A型事業所は昨年度から指定基準が改正され、給付要件が厳格化されたことなどから、賃金を事業収入で賄えない事業所が倒産に至っているとの指摘もあり、就労支援制度の再検討が必要な状況だ。