政府は6日、労働関係8本の改正を束ねた「働き方改革関連法案」を閣議決定した。昨年9月に労働政策審議会が「おおむね妥当」と答申した法律案要綱の内容とは、施行期日や改正項目が部分的に修正されている。与野党による国会論戦の展開次第では、さらなる修正が加えられる可能性もある。また、国会は序盤から政府の相次ぐ不祥事で政権の求心力が低下しており、会期内(6月20日)成立を危ぶむ声も挙がっている。
法案の柱は、残業時間の罰則付き上限規制、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す成果型の「高度プロフェッショナル制度」(高度プロ)の創設など。自民党内には「実効性を伴う内容でなければ混乱するだけ。とりわけ、中小企業への十分な配慮や対応が不可欠」という意見が根強い一方、野党は長時間労働の是正に逆行するなどとして「高度プロ」創設に真っ向反対の姿勢。安倍晋三首相が旗振り役となって官邸主導で進めて来た「働き方改革関連法案」は、着地点が見えにくい状態になっている。
法案は同日夕、正式に国会に提出された。
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