厚生労働省が30日発表した2016年度労働者派遣事業報告書(7万754事業所)によると、派遣労働者数は約177万人となった。内訳は無期派遣が約21万5000人、有期派遣が約129万人、旧特定派遣が約26万6000人。登録者数は約434万8000人だった。15年9月の改正労働者派遣法の施行に伴い、15年度は後半の統計しかないため、前年度比は出していない。
派遣先件数は約71万6000件(前年度比3.9%増)、売上高は約6兆5798億円(同15.9%増)となった。売上高は3年連続増で、14年度の6.6%増、15年度の4.4%増から一気に2ケタ増に跳ね上がった。
派遣料金(8時間換算)は平均1万9083円(同9.5%増)、旧特定派遣が2万5159円(同2.5%増)。派遣労働者の賃金(同)も平均1万2624円(同5.8%増)、旧特定派遣が1万5771円(同1.3%増)と順調に伸びた。
17年6月の派遣労働者は約156万人
一方、厚労省が同日発表した2017年6月1日時点の労働者派遣事業報告(7万734事業所)によると、派遣労働者数は約156万人(対前年比19.4%増)と大幅な増加に転じた。そのうち、無期雇用が約23万5000人、有期雇用が約112万人、旧特定派遣が約20万人だった。
このうち、製造派遣は約29万人(同32.6%増)で、無期雇用は約5万8000人、有期雇用は約23万人。日雇い派遣は約4万6000人(同36.7%増)。製造派遣、日雇い派遣とも大幅に増え、人手不足で外部労働力の調達を増やす企業の苦しい台所事情がうかがえる。