労働政策研究・研修機構(JILPT)が28日発表した「独立自営業者の就業実態と意識に関する調査」によると、フリーランス、個人事業主、クラウドワーカーなど独立自営業者の年間報酬額(税など差し引き前)は「50万円未満」が39.9%で最も多く、次いで「200万~400万円未満」の14.4%、「100万~200万円未満」の12.3%、「50万~100万円未満」の11.9%と続いた。
200万円未満が全体の6割を超えている一方、「800万円以上」が6.8%、「600万~800万円未満」が4.8%あり、600万円以上稼いでいる人も1割以上いるなど、かなりのバラつきがみられた。
これを専業・兼業別にみると、50万円未満では兼業が54.6%と過半数を占めたが、専業では24.9%に縮小。200万~400万円未満が兼業では10.2%なのに対して、専業では18.7%など、専業の報酬額は総じて高くなっていた。
1カ月の平均作業日数は、「7日以下」が32.5%で最も多く、次いで「15~21日」の27.9%。この働き方を選んだ理由(複数回答)では「自分のペースで働ける」の35.9%、「収入を増やしたかった」の31.8%がダントツに多かった。仕事全体に対する満足度では「満足」が15.7%、「ある程度満足」が52.3%で、合わせると7割近くが満足しており、働きやすさの結果とみられる。
一方、整備・充実を望む保護政策(同)は「取引相手との契約内容の書面化義務付け」「トラブル時の相談窓口や低額費用で解決できる制度」「契約内容の決定や変更の手続きの明確化」など、契約にかかわる項目が多かった。
調査は昨年12月後半、昨年1年間で収入を得ていた8256人を対象に実施した。内訳は専業が4083人、兼業が4173人。男性が63%、年齢は35~54歳が54%を占めた。主な生計は「自分」が55%、「双方」が24%など。職種は医療・芸能などの専門業務、事務など。
この問題については、厚生労働省の有識者会議「雇用類似の働き方に関する検討会」(鎌田耕一座長)で法整備の必要性などについて議論したが、結論は出ていない。