パソナグループ系の日本CHO協会は7日、東京・大手町の同本社でフォーラム「多様で柔軟な働き方を認め、人材を確保・育成し、生産性を高める」を開き、企業の人事担当者ら約60人が参加した=写真。
経済産業省産業人材政策室の伊藤禎則参事官が「働き方改革第2章~人生100年時代の人づくりに向けて」と題して基調講演。メガネチェーン「JINS」の井上一鷹MEMEグループマネジャーと製薬企業「ロート」の河崎保徳広報・CSV推進部長が、それぞれの取り組み状況を説明し、日本テレワーク協会の中山洋之専務理事がテレワークの普及状況などを解説した。
伊藤氏は、日本は「人生100年時代」と「AI×データ時代」の到来で、働き方も必然的に変わらざるを得ないことを解説。具体的には(1)成果、生産性に基づく評価へ(2)時間、場所、契約にしばられない、柔軟で多様な働き方の実現(3)スキルの生涯絶え間ないアップデートと、キャリア・オーナーシップによるプロフェッショナル化、の3点を挙げた。
井上氏は、同社が開発したメガネ型ウエアラブル端末「MEME」を使って得た内外社員の集中度調査結果を公表し、オフィス内では集中度が途切れがちなこと、曜日によって集中度が異なることなどを説明。生産性を上げるためには「Deep Think」を確保することが重要と強調した。
河崎氏は、16年度から始めた複業制度の容認や社内部門の兼任を認める社内ダブルジョブ制度などのユニークな取り組みを披露。社員の自律と主体性を重視する経営方式に舵を切ったところ、生産性が上がって増収基調を維持している実状を報告した。
法制度では長時間労働是正の必要性だけが強調されがちだが、それが生産性の向上に結び付かなければ企業は競争力を失うことから、両社の取り組みに対して参加者は真剣にメモを取っていた。