厚生労働省の第54回難病対策委員会と第28回小児慢性特定疾患児支援専門委員会が2日合同開催され、前回に続き難病患者と小慢疾病児のデータベースの利活用について議論した。この日は医療情報システム開発センターの山本隆一理事長が参考人出席し、すでに稼働しているナショナルデータベース(NDB)について解説した。
事務局の厚労省から論点整理が出され、(1)情報の提供先(2)提供する情報の範囲(3)利活用の目的(4)審査会の設置、の4点について委員の意見を聞いた。
情報の提供先では、厚労省研究班などに限定し、学会や企業などは慎重に扱うこと。提供情報の範囲は、希少難病の場合、個人が特定されやすいため、必要最小限にとどめること。利活用は、基礎資料だけでなく、臨床研究も含めるかどうか、などが課題に挙がった。
データベースの公開にあたっては、遺伝情報など気密性の高い個人情報の保護が必須となることなどから、公開の可否の基準となるガイドラインを設け、それに沿って専門の審査会が決定する方向で議論は進んだ。この日の議論を基に、厚労省は近く、利活用の事務局案を提示する予定だ。