勤務先として最も人材をひきつける企業を世界共通基準で測る「エンプロイヤーブランド・リサーチ2018、ランスタッドアワード」の日本の調査結果と表彰式が27日、日本青年館ホールで開かれ=写真左=、最高賞となるランスタッドアワード(総合1位)にはパナソニックが初の栄冠に輝いた。総合2位はトヨタ自動車(トヨタ)、3位が日清食品ホールディングス(HD)。電気機器メーカーが最高賞を獲得するのは2012年以来6年ぶりとなる。海外企業部門は、Apple Japanが1位を獲得した。
39の国と地域で事業を展開するランスタッドの「グローバルブランド」を活かした調査。日本法人は2012年から参加し、今年で7回目を迎える。企業の採用活動や組織力向上を目的とした国内最大規模の「人事の祭典」で、日本の式典を皮切りに、調査に参加した30カ国が今後それぞれの国の調査結果を発表し、表彰式などを展開していく。
総合人材サービス会社・ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(本社:オランダ)の日本法人・ランスタッド(東京都千代田区)が開いた表彰式には、受賞企業や人事担当者のほか、労働・雇用分野の第一線で活躍する研究者、行政、マスコミ関係者ら約800人が集まった。
今年の調査結果などについて、ランスタッド執行役員の青木秀登プロジェクトリーダーは「エンプロイヤーブランドは急速に注目度が高まっており、企業の従業員だけでなく、広く一般に働く方から見た『就業先としての企業の魅力度』を示すカギとなっている」と解説。そのうえで、「日本では例年、『食品・飲料業界』が認知度、魅力度ともに高く、『電気機器・精密機器・そのほか製造』が続く傾向がある。また、近年の特徴として、ICTの進展によって就業場所にとらわれない柔軟な働き方への視点が広まってきていることも読み取れた」と紹介した。
表彰式では、アワードの「象徴」となる、人型の磁石がたくさん集まったトロフィー、またはクリスタルトロフィーが日本法人のカイエタン・スローニナ会長兼CEOから受賞企業の代表者に手渡された。総合1位のランスタッドアワードの栄冠を手にしたパナソニックの三島茂樹人材戦略部長は「なぜ当社がトップに選ばれたのか。何度も確認してみたが、多様なステークホルダーの皆さまに評価をいただいた結果だと思います。今年は創業100年に当たり、今後も創業理念を堅持していきます」と、喜びの言葉を述べた。
表彰式に続いて、三島氏と楽天の杉原章郎常務執行役員が登壇し、中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)の佐藤博樹教授を進行役に、「多様な人材活用と働き方改革」をテーマに、トークライブも行われた=写真右。
表彰式後は懇親会が開かれ、主催者を代表してランスタッド日本法人の猿谷哲社長兼COOが多くの参加者に挨拶し、異業種の経営層と人事関係者らが交流を深めた。
同アワードは2000年から世界各地で実施され、年々、調査対象国を拡大。大手グループ企業から各国の地場産業、または現地の日本法人企業など、さまざまな分野の魅力ある企業を表彰し、他で行われている企業調査や表彰とは一線を画す「エンプロイヤーブランド(企業魅力度)」調査として、世界で実績と評価を獲得。日本の調査は18歳~65歳までの男女で、独立性と客観性を確保し、主観による偏りを避けるため、第3者専門機関であるTNS(イギリス)とJWC(アメリカ)に委託している。
≪エンプロイヤーブランド2018 ランスタッドアワードの総合ベスト10は下記の通り≫
1位=パナソニック、2位=トヨタ自動車(トヨタ)、3位=日清食品HD、4位=ソニー、5位=味の素、6位=全日本空輸(ANA)、7位=日本航空(JAL)、8位=明治HD、9位=キヤノン、10位=楽天