帝国データバンクが22日発表した今年1月時点の「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員が「不足している」企業の比率は51.1%となり、昨年10月時点の49.1%からさらに2.0ポイント上昇、1年前より7.2ポイント上昇した。06年の調査開始以来、最高水準での推移が続いている。
業種別では「情報サービス」が74.0%で最も高く、「建設」が68.1%、「運輸・倉庫」が65.9%で続いており、10業種のうち9業種で前回よりも不足感が強まっていた。
非正規社員についても、34.1%が「不足」と答えており、前回より2.2ポイント、1年前より4.6ポイント上昇している。高い業種は「飲食店」の74.3%、「飲食料品小売」の67.2%、「人材派遣・紹介」の66.7%など。
中でも、人材派遣業界からは 「派遣需要は引き続き旺盛だが、人手不足感も強くなっており、求人広告費に見合った人材の確保が出来ていない」(群馬県)、「人材派遣ニーズは高いが、今後派遣する人材の確保が難しくなる」(広島県)などの声が多いという。
同社では「中小企業は人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向が強まっており、企業収益の改善が一層必要とされる経営環境となっている。政府は働き方改革を進め、経済の好循環を強化することで、中小企業の収益改善につながる政策の重要性が一段と増してきた」と分析している。
調査は1月後半に実施。全国2万3089社を対象にし、有効回答数は1万161社、回答率44.0%。