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2018年2月21日

裁量労働制の拡大と「高度プロ」創設も施行を1年延期、政府が検討  「働き方改革関連法案」の国会提出は3月へ

 政府は、今国会に一括法案(束ね法案)として提出を目指す「働き方改革関連法案」のうち、裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度(高度プロ)の創設について、施行期日を予定より1年遅らせる検討に入った。21日までに、同一労働同一賃金関係も1年延期して2020年4月施行にする方針を固めているが、これに加えて先延ばしする格好。法案提出は政府が当初見込んでいた2月27日から3月にずれ込む。

 延期の検討を始めたのは、裁量労働制を巡る厚生労働省の不適切なデータ処理問題が最大の理由。野党は両制度を一括法案の中から削除することを要求しており、反発は必至の情勢だ。

 「働き方改革関連法案」は(1)「残業時間の罰則付き上限規制など長時間労働の是正(労働基準法や労働安全衛生法などの改正)」、(2)「同一労働同一賃金を目指す雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(パートタイム労働法や労働契約法、労働者派遣法の改正)」、(3)「高度プロの創設・裁量労働制の業務範囲の明確化(労働基準法などの改正)」――の大きく3つに分けられる。

 当初、昨年9月に労働政策審議会(厚労相の諮問機関)が了承した法案要綱では、施行期日を「原則2019年4月」とする一方、同一労働同一賃金関係は中小企業に派遣法を除いて1年間の猶予を設けていた。

 今月7日に自民党の厚生労働部会などに示した延期と、新たに検討に入った延期について整理すると、(1)「残業時間の罰則付き上限規制」は大企業が当初案通り19年4月、中小企業は20年4月へ。(2)同一労働同一賃金は大企業が20年4月、中小企業は21年4月へ。そして、(3)裁量労働制の拡大と高度プロの創設が大企業、中小企業ともに20年4月へ――となる。

 安倍晋三首相は21日午後、加藤勝信厚労相と会談し、これらの党内調整に万全を期すよう指示した。党内の厚生労働部会などは14日に合同会議を開いたが集約に至らず、予定していた19日の会議は取り止めとなっている。

 

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