ホワイトカラーを中心とした民間職業紹介の事業者団体・日本人材紹介事業協会(渡部昭彦会長)は29日、東京・秋葉原で2018年の東日本地区ブロック会・賀詞交歓会を開き、約150人が参加した。今月から改正職業安定法の主要部分が施行されたことから、話題も改正法に関する事項に集中した。
ブロック会では、厚生労働省の中野知基・需給調整事業課課長補佐が「職業紹介等事業の現状と課題」、日本大学総合科学研究所の安藤至大(むねとも)准教授が「職安法改正とこれからの雇用」=写真=と題して講演した。
中野氏は、改正法の主要部分である職業紹介会社による労働条件の明示、職業紹介責任者の統括体制、就職者等の情報提供義務など、業界企業の順守事項について解説、協力を求めた。
安藤氏は、改正法の背景となっている日本の人口減少と人手不足を解説。高度成長期に形成された終身雇用制度が崩れていき、今後は企業内部の労働市場から転職など外部労働市場がメーンとなっていくことや、多様な働き方の拡大による企業と労働者のミスマッチを防ぐため、人材ビジネスの重要性と責任が増すことなどを、わかりやすく説明した。
懇親会で渡部会長は「改正法の趣旨を理解し、ルール順守を徹底することで、社会のインフラとして業界の一層の認知を得られるように努めたい」と決意を述べた。