「65歳以上をどう生きるか! どう働くか!」をテーマにしたシンポジウムが3日、都内で開かれた=写真。高齢者活躍支援協議会(高活協・渡辺利夫会長)とシニアセカンドキャリア推進協会(SSC・山本勉理事長)の共催で、今年で8回目。同名のシンポジウムは今年で3回目となる。65歳を過ぎてからの就労環境や働き方、仕事探しの方法などについて、データや具体事例をもとに多面的に考察した。
冒頭、主催者を代表して高活協の渡辺会長があいさつに立ち、日本の平均寿命の延びや超少子高齢化社会の実相に迫りながら、「女性活躍と並走して高齢者の就業を促す政策がもっと強力に必要で、65歳で労働市場から引退することは、個人の生きがいの面でも、国家にとっても大きな損失だ」と強調。続いて、シンポジウムなど高齢者就労の促進に関するさまざまな活動の土台を築いた高活協の上田研二理事長が「健康は自分が自分に贈る最高のプレゼント。一人でも多くの人が働く場を持って、人間味あふれる生活を満喫してほしい」(司会者代読)と呼び掛けた。
前半は、高齢者就労に関する専門家である城西大学経営学部の塚本成美教授が「労働社会の多様化と高齢者就労~シルバー人材センターを中心に~」と題して基調講演。約50年前から現在に至るまでの高齢者就労と社会環境の変化、その時々の時代背景や法律を含む政策の変遷を分かりやすく解説。「地域の中で積極的に能力を生かすことは社会的義務であり、そのためには働いて生きがいを見つけることが必要」と主張し、市民組織としてのシルバー人材センターの役割を説いた。
これを受けたパネルディスカッションのテーマは「65歳からも働ける就労環境の整備~官民連携の横断的取り組みに向けて~」。SSCの髙平ゆかり幹事長をコーディネーターに、日本人材派遣協会の河邉彰男統括研究員、東京しごと財団の篠田高志しごとセンター課長、元全国シルバー人材センター事業協会シニアワークプログラム部長の大山宏氏の3人をパネリストに迎え、それぞれの事業内容や特性、高齢者の就労実態と課題などを報告した。
民間、公的、準公的の3つの機関・団体が現場実態に基づいた活発な議論を展開し、高齢者の就労環境のより柔軟な環境整備に向けた官民の横断的連携の意義や新たな役割などについて掘り下げた。