厚生労働省がこのほど発表した2017年「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)によると、65歳以上の定年企業(定年制の廃止を含む)は前年より約2000社増えて3万社を超え、全体の19.6%を占めた。高年齢者雇用促進法の改正により、企業は65歳まで希望者の雇用確保義務があるが、80.3%の圧倒的多数が継続雇用制度にとどまり、60歳定年自体を見直す企業はまだ少数にとどまっている。
希望者全員が66歳以上までの継続雇用を導入している企業は8895社、70歳以上まで働ける企業は3万5276社と、いずれも増えている。多くの企業は、人手不足対策と技能伝承などの必要性から、定年後社員の活用を図っているものの、業務レベルや賃金などが大きく下がるケースも多く、高齢社員を有効活用している企業はそれほど多くないと推測される。
調査は、常用雇用労働者が31人以上いる15万6113社を対象に集計した。