厚生労働省は24日、2017年版厚生労働白書「社会保障と経済成長」を発表した。それによると、少子高齢化によって、高齢者1人を支える現役世代は徐々に減少しており、10年当時の2.8人から15年に2.3人、20年に2.0人、25年には1.9人まで減り、現役世代の負担が増加すると試算している。
このまま就業しない高齢者などが増えると、非就業者1人に対する就業者の人数は10年の0.93人、15年の0.94人から、20年に0.95人、30年には0.91人と1人を割り込んだまま。しかし、女性や高齢者の就業参加を進めることで、20年には1.06人、30年には1.12人まで回復し、現役世代の負担も軽減されると予測している。
今後の社会保障の負担と給付のあり方については、国民の4割以上が給付水準の維持か引き上げを望んでおり、そのためには約6割が「負担増もやむなし」と考えている。ただ、成長という視点から社会保障を考えると、現在の高齢者中心の社会保障から、働く世代も含めた「全世代型」への転換など、現役世代が安心感を持てる社会保障の構築をさらに進めることも重要、と結論づけている。