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2017年10月24日

働き方改革関連法案の先行き  水町教授が講演「周到な準備を」

 東京労働基準協会連合会は24日、都内でセミナー「『働き方改革実行計画』を読み解く」を開き、東大社会科学研究所の水町勇一郎教授が講演=写真、企業の人事担当者や社会保険労務士ら約500人が参加した。

n171024.jpg 同計画は政府の「働き方改革実現会議」(議長、安倍首相)の議論を経て3月に決定。これを受けて厚生労働省の労働政策審議会が審議・答申し、9月に労働基準法など計8本の「働き方改革関連法案」の要綱が示された。中心は長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現で、水町氏は同会議の有識者として参画。政府は秋の臨時国会に改正法案の提出を予定していたが、総選挙で先延ばしとなった。

 これについて水町氏は、(1)法案審議は年明けの通常国会になるが、予算関連の審議が優先されるため、働き方関連の審議は4月以降になり、臨時国会からは成立が半年ほどは遅れる(2)改正法の施行時期は2019年4月を予定しているが、その場合、来年4月から始まる有期契約労働者の無期転換ルールからわずか1年後の施行となり、無期転換とリンクする同一労働同一賃金との期間が近過ぎるとみることもできる。

 (3)労働関連法案の改正は好景気の時に実施しなければ困難であり、今回は20年の東京五輪までは好況が続くと予想されるが、施行時期を先延ばししてもギリギリのタイミングとなる――など、考えられる見通しを述べた。そのうえで、「企業としては、先延ばしされてもされなくても、きちんと準備しておく必要がある」と注文した。

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