東京商工リサーチは11日、厚生労働省が昨年12月~今年9月に労働基準関係法令違反で企業名を公表した520社に関する実態調査を発表した。5月に次いで2回目。
産業別で最多は建設業の182社で全体の35.0%を占めた。次いで、製造業が117(同22.5%)、サービス業他が104社(同20.0%)の順。また、倒産や休廃業・解散した企業は判明分だけで22社にのぼった。
売上高では、10億円未満が260社(同68.4%)と7割にのぼる一方、100億円以上は31社で1割未満にとどまり、中小・零細企業が多数を占める状況に変化はなかった。東商リサーチは、「業績の二極化が拡大する中で、受注や納期、利益確保が至上命題の中小・零細企業は、法令順守にまで手が回らない厳しい現実も垣間見える」と分析している。
厚労省の違反企業名の公表は、公表日から概ね1年としており、公表を続ける必要性がなくなったと認められる場合や是正や改善が確認された場合は削除される。しかし、これまで一度公表され、改善や是正などで非公開となった企業数は520社中98社(同18.8%)と2割未満にとどまっている。