厚生労働省は6日、2017年版「過労死等防止対策白書」を発表した。昨年続いて2回目。今年は、過労死が多いとされる運送業や外食産業を重点的に分析している。
2008年~15年の約5年間の労災認定件数3564件のうち、業種では「運輸・郵便」が464件で最も多く、「卸売・小売」が229件で続いており、両業種が突出して多かった。このため、両業種の企業と従業員を対象にアンケート調査を実施。運送業から760社、4678人、外食産業から451社、2533人から回答を得た。
それによると、運送業界では慢性的な運転手不足で早出・居残りなどの残業が発生。12月の繁忙期に休日出勤や深夜勤務が集中するなどの特殊性がみられた。外食産業も同様に慢性的な人手不足に加え、売り上げや顧客・取引先との折衝などでストレスがたまりやすいことが背景にあった。
白書では、人員の適正配置や業務の効率化などを提言しているが、どれも業績に影響を及ぼす可能性があるだけに、改善には困難が伴いそうだ。