第15回定期大会を終えた連合は5日午後、都内で新執行部の顔ぶれによる記者会見を開いた。神津会長は「連合結成以来、『力と政策』を標ぼうして活動してきており、2年後の結成30年の節目となる2019年に向け、働くことを軸とした安心社会の実現を目指して運動に磨きをかけていきたい」と決意表明。続いて、会見に臨んだ逢見直人、川本淳の両会長代行と相原康伸事務局長がそれぞれ自身の役割や課題を挙げながら連合傘下の同志たちとの対話の重視や、丁寧な執行部運営に意欲を示した=写真(右から相原氏、神津氏、逢見氏、川本氏)。
会見における報道陣からの質問は、10日公示の衆院選への連合の対応や見解が大半を占めた。5日午前中の定期大会とは別に、連合の意思決定機関である中央執行委員会を臨時で開いて確認・決定したことを踏まえた会見で、主に下記の5点の方針などがあらためて明確になった。
(1)特定政党の支持は見送り、政策や考えが連合と近い前民進党議員だった候補者を中心に個別に推薦・支援の形をとる。
(2)9月27日の中央執行委員会終了時点で連合が推薦している174人については、民進党公認であった候補者が離党して希望の党の公認になった場合は、希望の党の公認が出た段階で、連合本部で「民進党」→「希望の党」に読み替えて支援する。
(3)民進党公認であった候補者が離党して無所属、あるいは立憲民主党の候補者となった場合は、連合本部で「民進党」→「無所属」あるいは「立憲民主党」に読み替えて支援する。
(4)9月28日以前に民進党を離党した人たちと「同列視」した対応はできず、厳正に取り扱う必要がある。
(5)候補者推薦の手続きは、各地方組織からの申請を本部が受けて持ち回り中央執行委員会で確認する。
このほか、会見の中で神津会長は希望の党について、「大枠的には理解できるが、細かい政策は見えておらず、選挙期間中または選挙後の動きを十分に見極めなければならない」と、一定の警戒心ものぞかせた。
また、9月30日に東京・大阪・愛知の3知事が共通政策「三都物語」を発表した際、衆院選で希望の党と日本維新の会が連携し、東京と大阪の候補者すみ分けに至ったことは「極めて遺憾」と不快感をあらわにした。
神津会長は「維新のこれまでの政策の経過を振り返ると、連合の考え方とは随分違う部分があったように思う。最近の動きは細かく把握していないが、そもそも前原代表は民進全体が希望の党に移ることを決断したにもかかわらず、一方で東京と大阪で選挙協力するということになると、私たちが推薦してきた大阪の候補者はどうするのか」と強調。そのうえで、「私からすればとんでもない話。このすみ分けは(希望と維新の)両方に遺憾の意を抱く」と語気を強めた。