厚生労働省が29日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍となり、前月と同じだった。3月から7月まで5カ月連続で上昇し続け、8月は一服状態となったが、依然として、第1次石油ショック直後の74年前半に記録した1.5~1.6倍に並ぶ水準を維持している。
都道府県別(就業地別)では福井県の2.19倍が最高で、最低は北海道の1.14倍だった。
新規求人倍率は2.21倍で前月比0.06ポイント低下したが、新規求人数(原数値)は前年同月比6.3%増。業種別では教育・学習支援の同18.3%増、運輸・郵便の同12.3%増、製造業の同11.7%増など、人手不足が加速している。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.01倍となり、3カ月連続で1倍台を超えている。
8月の完全失業率、前月と同じ2.8%
総務省が29日発表した8月の就業者数は6573万人で、前年同月比84万人増、56カ月連続の増加となった。完全失業者は189万人で同23万人の減少、87カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は2.8%と前月と同水準で、1994年前半当時と同じ水準を維持している。男女別では男性が2.9%、女性が2.5%で、男性が前月から0.2ポイント改善した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5476万人のうち、正社員は3421万人で前年同月より56万人増。非正規社員も2054万人で同18万人増となり、非正規率は37.5%と前月比0.1ポイント低下した。非正規のうち派遣社員は138万人で同3万人増加した。