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2017年8月25日

「趣旨が異なる労基法の一本化は反対」連合・神津会長  30日の労政審に臨む「基本スタンス」鮮明に

 政府が9月下旬召集予定の臨時国会に一括法案(束ね法案)として提出を目指す「働き方改革関連法案」について、連合の神津里季生会長=写真左=は「高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の対象業務拡大には反対の姿勢で労働政策審議会に臨む」と明言した。25日、東京の連合会館で開かれた会見で明らかにした。労働基準法の法律案要綱を審議する労政審労働条件分科会は30日に開かれ、9月中旬までに複数回開かれる見通しだ。

n170825.jpg 「高度プロ」は、年収1075万円以上の専門職を労働時間の対象から外し成果で評価する仕組みで、2015年4月に政府が提出している労働基準法改正案の目玉項目の一つ。政府は「働く時間にとらわれない生産性を高める働き方」と主張。連合や野党からは「残業代ゼロ法案」「長時間労働の是正に逆行」などと強い批判と抵抗を受け、審議入りも出来ないまま現在に至っている。

 政府は臨時国会を迎えるにあたり、「働き方改革関連法案」として、残業時間の罰則付き上限規制(労基法改正案)に加え、「高度プロ」を盛り込んだ労基法改正案(2015年法案)を「一本の労基法改正案」にまとめたい考え。連合執行部は今春以降、「反対ながらも現状で出来得る限りの修正」を模索し、7月13日に安倍晋三首相に修正を要請。政府と経団連の3者で修正案の政労使合意へ動き出したが、傘下の産業別組合や地方組織などから反発を受け、土壇場で合意を見送っている。

 神津会長は「労政審の場に提示される法律案要綱に対して、反対理由や課題を主張する。趣旨が異なる労基法の一本化ではなく、法案ごとに個別に審議していくことも求める」と強調。一方で、「正論を説き続けるがハードルは高い。主張が通らない場合は国会審議の中で支持政党の民進党と連携して次の段階へ入る」との見方を示した。

 いわゆる「15年法案」には、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の適用猶予廃止や、年次有給休暇の取得促進などの項目もあり、これらには早期の実施で賛成する考えだ。

 このほか、政府は同一労働同一賃金の導入に向けた法整備として、労働契約法とパートタイム労働法、労働者派遣法の3法改正を目指しており、こちらは9月上旬に労政審・同一労働同一賃金部会で法律案要綱の議論が行われる。

 

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