厚生科学審議会の第50回難病対策委員会(千葉勉委員長)と社会保障審議会の第21回小児慢性特定疾患児への支援のあり方委員会(五十嵐隆委員長)の2回目合同委員会が2日開かれ、前回に続いて「移行期医療における連携推進のガイド」作成などについて議論した。
この日は、福岡市立こども病院循環器科の兒玉祥彦氏が九州大学病院と連携した成人期移行システムについて解説し、連携に関する好事例を披露した。これを受けた議論では、都道府県に設置予定の「移行期医療支援センター(仮称)」について、「子ども病院のある県はともかく、ない県は移行期医療に心配が残る」「難病相談支援センターとどう結びつけるか、検討の必要がある」などの意見が続出した。
合同委の後に開いた第50回難病対策委では、前回に続いて「患者からの申し出等を起点とした指定難病対策」について話し合ったが、申し出る者の範囲を「本人・家族のほかに、主治医、患者会なども含めた方がいい」「対象疾病の要件をきっちり決めるとハードルが高くなるため、緩やかな基準にとどめるべきではないか」などの意見が出た。
この日はどちらの議題も結論を次回以降に持ち越した。
一方、患者代表委員からは、難病法で定めた医療費助成の旧対象者への経過措置が年内で切れ、軽症者が助成対象からはずれる可能性があることから、「軽症者にも引き続き登録を続けてもらわないと、治療研究データの意味がなくなる」との指摘があった。