厚生科学審議会の第49回難病対策委員会(千葉勉委員長)と社会保障審議会の第19回小児慢性特定疾患児への支援のあり方委員会(五十嵐隆委員長)の初の合同委員会が5日開かれ、「移行期医療における連携推進のガイド作成」などについて議論した。
政府の医療費助成などの難病政策は、小児期は小児慢性特定疾患(小慢)事業で、大人になると難病対策事業で行われているが、両者の法律、政策概念、対象疾病などが異なっており、子供から大人への医療政策が継ぎ目なく移行しているるとは必ずしも言えないことから、今回、初めて合同委員会を開き、移行期医療(トランジッション問題)について意見交換したもの。
小児難病の場合、通常は小児科の医師が担当するが、大人になって掛かり付け医が内科医などの専門医に変わると、小児科側では「成人科では受け入れてもらえない」、成人科側では「自分の専門分野しか診られない」といった“医療者間ギャップ“が生じがちなうえ、患者自身も疾病に関するヘルスリテラシーの欠如が指摘されている。
この日は、移行期医療支援モデル事業を手掛けている国立成育医療研究センターの賀藤均病院長が、取り組みと課題について報告した。厚労省はこの取り組みをモデルケースに、都道府県向けの「ガイド」を作成、移行期医療の均てん化を図りたい考えだ。