東京商工リサーチが14日発表した2017年「賃上げに関するアンケート調査」によると、4月に賃上げを実施した企業は82.6%にのぼったが、内訳は「定期昇給のみ」が29.6%で最も多く、「定昇+ベースアップ」が15.5%、「定昇+ボーナス増」が14.0%だった。
資本金別では、1億円以上の企業で、は86.6%が賃上げを実施したのに対して、1億円未満では82.0%だった。また、定昇を実施したのは1億円以上の75.9%に対して、1億円未満では64.6%にとどまった。
賃上げが人手不足の解消に役立ったかどうかは54.0%が「わからない、どちらとも言えない」と回答、「解消できた」は18.4%、「解消できなかった」は27.6%にとどまり、賃上げが必ずしも人手不足の解消につながっていない実態をのぞかせた。
東商リサーチでは調査結果について、「人手不足で売り手市場が進む中、これまでの労働環境は賃上げありきから変化している。中長期的に人口の減少傾向が続くため、多様な人材の労働参加は避けられず、外国人労働者や女性、高齢者の雇用、福祉の充実など、金額面だけでなく労働環境の再構築に向けた取り組みが求められている」と分析している。
調査は5月12~23日、インターネットで実施。5913社から有効回答を得た。