日本人材派遣協会(水田正道会長)は6日、東京・丸の内で2017年度定時総会を開いた=写真。同一労働同一賃金や労働時間の上限規制など、政府が推進する「働き方改革」に伴う労働政策の動向を的確にとらえ、「派遣社員のキャリア形成支援」と「労働者派遣法・労働関連法規への対応」の2事業に引き続き注力していくことを確認し合った。
総会では、水田会長らが報告した16年度事業報告と決算、一部理事の交代などを満場一致で承認した。また、17年度事業計画では、2事業を展開する具体策として、会員企業の活動を支援する情報提供の強化や、全国9都市での無料セミナーの開催、eラーニングシステムを軸とする教育コンテンツの拡充などを推し進める方針だ。
講演会では、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部の鈴木英二郎部長が「同一労働同一賃金の実現に向けて」と題して講演。今春に労働政策審議会に新設され、議論が進められている「同一労働同一賃金部会」の経過や現時点における動きなどを紹介、解説した。
懇親会で水田会長は、同一労働同一賃金の動きに触れ、「業界としても真しに向き合う。今後、実務面で具体的なことが示されていくが、(賃金を含む待遇の)基準が派遣先か派遣元かなど、一つ一つの課題をクリアして行かなければならない」と指摘。「流れとしては派遣社員の賃金増につながると思う。派遣各社もクライアント企業との交渉を通じて改善の道を探ることになるだろう」と述べ、業界の重い課題であることを強調した。