厚生労働省が30日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1.48倍となり、前月比0.03ポイントの上昇となった。この水準はバブル崩壊直後の1990~91年当時の1.3倍台後半~1.4倍台前半を上回り、第1次石油ショックが起きた直後の74年前半に記録した1.5~1.6倍台に迫る水準。ただ、製造業が中心だった当時と、サービス業が中心の現代では産業構造は大きく変わっている。都道府県別(就業地別)では福井県の2.06倍が最高で、最低は北海道の1.13倍。
新規求人倍率は2.13倍で前月と同水準だった。新規求人数(原数値)は前年同月比3.2%増。業種別では運輸・郵便の同8.3%増、製造業の同7.9%増、建設業の同6.9%増といった業種が相変わらず高い。
4月の完全失業率は2.8%の横ばい
総務省が30日発表した4月の就業者数は6500万人で、前年同月比80万人増、52カ月連続の増加となった。完全失業者は197万人で同28万人の減少、83カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は2.8%となり、3カ月連続で同じ水準が続いている。男女別では男性が2.9%、女性が2.6%で、男性が0.1ポイント悪化、女性が0.1ポイント改善した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5404万人のうち、正社員は3400万人で前年同月より14万人増。非正規社員も2004万人で同33万人増となり、非正規率は37.1%だった。非正規のうち派遣社員は133万人で同7万人増加した。