厚生労働省が23日発表した毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所)によると、2016年度の月間平均現金給与総額は31万5452円(前年比0.4%増)となり、14年度から3年連続のプラスとなった。給与から物価上昇分を差し引いた実質賃金の伸びは同0.4%増となり、11年度から続いていたマイナスが6年ぶりにプラスに転換した。16年度の消費者物価指数はマイナス0.1%だった。
就労形態別では、一般労働者が41万2130円(同0.8%増)、パートタイム労働者が9万7526円(同0.4%減)。給与総額から残業代などを引いた所定内給与は24万360円(同0.2%増)で、伸び率は一般労働者が同0.4%増、パートが同0.4%減だった。
月間実労働時間は143.3時間(同0.8%減)で、そのうち一般が168.3時間(同0.4%減)、パートも86.8時間(同2.1%減)といずれも減少した。
政府の「働き方改革」などの影響で、労働時間の短縮を図る企業が増えたことから、給与額自体は伸び悩み、パートはマイナスになったが、春闘や人手不足を背景にした賃上げの効果が表れ、実質賃金のプラス転換につながったとみられる。