連合主催の第８８回メーデーが２９日、全国各地で開かれた。東京・代々木公園で行われた中央大会には、主催者発表で約４万人が集結し、「雇用の安定と質の向上」などを盛り込んだ「メーデー宣言」と、長時間労働是正の取り組み強化に向けた「特別決議」を採択した。来賓として、塩崎恭久厚労相、小池百合子都知事、民進党の蓮舫代表＝写真上＝らが出席。政府が進める「働き方改革」や、従来とは“戦いの構図”が異なる都議選（７月２日投開票）の動きなども相まって、注目度の高い大会となった。
連合の神津里季生会長＝写真下＝は、４年連続の賃上げとなった今春闘の実績を強調するとともに、中小組合の奮闘によって「大手追従・準拠からの構造転換」が前進していると評価。働き方改革については、連合が主張してきた長時間労働の是正や同一労働同一賃金の法制化が、自らも参画した政府の実現会議の「実行計画」に盛り込まれたことを「意義ある一里塚を刻んだ」としたうえで、「着実な進展に向けた不断の努力と実効性を確保するための集団的労使関係をあらゆる職場に構築していくべき」と訴えた。
続いて、あいさつに立った塩崎厚労相は、有効求人倍率の高さや失業率の低さなどを紹介したうえで、「今年の春闘では、働き方改革に取り組む新しい動きが見られた。多くの労使の間で広がっていくことを期待し、その加速化に連合が貢献されることを強く期待する」と述べた。
小池都知事は、連合の日ごろの活動に敬意を込めて「働き方改革を進めていきましょう。その先頭に立つのが連合だ。都政の見える化を進めており、誰もがいきいきと輝ける、新しい東京の実現を目指している」とアピールした。
蓮舫代表は、「長時間労働で心身の健康を著しく損なう人たちがいる。苦しみを取り除き、安心して働ける環境を作るのは政治の最優先課題」と述べたほか、国会情勢に触れて相次ぐ政府関係者の“放言”を批判。また、「テロ等準備罪」を新設する法案について、「なぜ今なのか理解に苦しむ。『共謀罪』はテロ対策のためだと言っているが、全くの誤り。党として断固として反対し、廃案に追い込みたい」と主張した。
５月１日には、全労連や全労協がメーデーの中央大会を開く。
