厚生労働省が31日発表した2015年度労働者派遣事業報告書(7万7956事業所)によると、改正労働者派遣法が15年9月に施行されたことから、派遣労働者数の算定方式が大幅に変わり、15年4月~9月は約39万人、10月~16年3月は約130万人となった。14年度年間では約263万人だったが、この中には登録者が約180万人含まれていた。15年度後半も登録者は約272万人いたが、今回から含めていない。
後半の約130万人の無期有期の内訳は、無期雇用が約30万人、有期雇用が約99.5万人。
派遣先件数は約69万件(前年度比16.9%減)、売上高は約5兆6790億円(同4.4%増)となった。売上高は前年に6年ぶりの増加に転じてから、2年連続の増加となった。
派遣料金(8時間換算)は一般派遣が1万7433円(同0.9%増)、旧特定派遣が2万4541円(同2.0%増)。派遣労働者の賃金(同)は一般が1万1927円(同0.7%増)、旧特定派遣が1万5564円(同1.0%増)。専門性の高い旧特定派遣の伸びがやや高くなっている。
16年6月の派遣労働者は約131万人
一方、厚労省が同日発表した2016年6月1日時点の労働者派遣事業報告(6万8867事業所)によると、派遣労働者数は約130万7000人(対前年比2.5%減)で、そのうち「無期雇用」が約34万人、有期雇用が約96万7000人だった。
このうち、製造派遣は約21万7000人(同27.7%減)で、無期雇用は約4万1000人、有期雇用は約17万6000人。日雇い派遣は約3万3600人(同4.0%増)だった。製造派遣の大幅減少は、景気拡大に伴う派遣の正社員化や請負化が主要因とみられる。
15年9月に改正派遣法が施行され、それまでの政令26業務と一般業務の区別が廃止され、「無期雇用」と「有期雇用」に区分けされた。