厚生労働省は13日、昨年11月に実施した2016年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督結果を発表した。それによると、労働基準法関連の違反が疑われた事業所7014カ所のうち、67.2%にあたる4711カ所で違反を確認し、そのうち39.5%にあたる2733カ所で違法残業などが認められたため是正指導した。
2733事業所のうち、1カ月あたり80時間を超える残業をさせていた所が1756カ所あり、そのうち1196カ所では同100時間を超えていた。また、賃金不払い残業が459カ所、健康障害防止措置を実施していなかったのが728カ所あった。
前年の同キャンペーンでは、対象5031事業所のうち、法令違反のあった所は73.9%にあたる3718カ所で、そのうち違法残業などは45.9%にあたる2311カ所だったことから、今回は少し改善傾向がみられるものの、厚労省は違法残業がいまだに4割を占めている実態を重視。今後も指導監督を強める姿勢だ。