厚生労働省は28日、2016年「就労条件総合調査」結果を発表した。それによると、15年1年間に労働者が取得した年次有給休暇は平均8.8日(付与日数18.1日)、取得率は48.7%で前年とほぼ同じだった。企業規模別では社員1000人以上の大企業で54.7%だったのに対して、企業規模が小さくなるほど取得率も下がり、30~99人の中小企業では43.7%だった。
変形労働時間制を採用している企業は60.5%(前年比7.7%増)となり、人手不足を背景に柔軟な勤務制度を採用する企業が増えているものの、種類は「1年単位の変形労働時間制」が34.7%、「1カ月単位の変形労働時間制」が23.9%で、フレックスタイム制は4.6%にとどまっている(複数回答)。
一方、定年制を定めている企業は95.4%(同2.8%増)に上り、そのうち「一律に定めている」ところが98.2%を占めた。一律定年制の企業について、定年年齢を「65歳」にしているのは16.1%(同0.8%減)に過ぎず、80.7%は依然として「60歳」のままで、再雇用措置などでつないでいた。
一方、15年の年間で派遣労働者を受け入れた企業は31.3%あり、派遣の割合は12.6%。平均受け入れ関係費用は7171万2000円で、1人1カ月平均は24万1051円だった。
受け入れ企業のうち、3年前と比べて受け入れ数が増えた企業は44.2%、減った企業は34.4%。増えた企業の業種では医療・福祉、複合サービス、情報通信などが大きく増えた。
調査は昨年1月1日時点の状況について、常用労働者30人以上がいる全国の6310社を対象に実施し、4520社から有効回答を得た(回答率71.6%)。