経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長は27日、残業時間の上限規制について東京都内で会談した。繁忙期は1カ月の上限時間を100時間とすることを含む残業規制などについて意見を交わした。会談は非公開。3月中旬までの合意を目指す。
政府は月100時間の上限を設ける意向で、経団連が容認する姿勢を示す一方、連合は「到底あり得ない」(神津会長)と反対している。会談では、残業時間規制の適用を除外されている建設、運輸業などの扱いや、退社から次の出社まで一定の時間を空ける「インターバル規制」についても議論していく見込みだ。
今月14日の「働き方改革実現会議」で示された政府案の骨子は(1)「月45時間、年間360時間」の限度を現行の告示から労基法内に明示する(2)特例として、労使合意の義務付けを条件に、臨時的な繁忙期を中心に「月平均60時間、年間720時間」までの残業を認める。一時的に労働量が増える繁忙期には、「年間720時間」の範囲内で月の上限を別途設ける(3)例外扱いの建設、運輸などの業務も適用対象にすることを検討――などだ。
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