連合は3日、都内で「2017春季生活闘争・闘争開始宣言2.3中央総決起集会」を開き、約30労組から1100人が参加した。神津里季生会長は「今年は足元の物価は上昇していないが、その中で月例賃金にこだわり、生活の底上げ・底支えを図ろう。長時間労働による過労死などはあってはならないこと。政府で検討している改善案は極めて不十分だ」とあいさつした=写真。連合では3月15日をヤマ場に設定し、各労組は経営側との交渉に入る。
今年は経団連も4年連続の賃上げを維持する姿勢を示しているものの、必ずしもベースアップではなく、賞与なども含む年収ベースでのアップを検討。これに対して連合は「デフレ脱却に向けて月例賃金にこだわる」として、あくまでベアのアップを要求する姿勢を崩していない。過去3年間は、14~16年とも6000円前後の2%を少し上回る賃上げを実現しており、今年も「2%台」の攻防になりそうだ。
ただ、米国でトランプ政権が始動し、保護主義的な政策を打ち出していることから、日本にとっても先行きは楽観できず、企業側の意識は慎重さを増しているが、神津会長は「トランプ氏の政策は日本企業の賃上げ抑制の理由にはならない」と強調した。政府は大企業の賃上げの恩恵が下請け中小企業に広く及ぶよう、無理な値下げ要請などをしないよう監視を強める方針だが、この日も中小企業の代表から「賃上げの恩恵が広く中小にも及ぶよう、運動の強化を」との訴えが出た。