日本経団連と連合の懇談会「春季労使交渉をめぐる諸問題」が2日、都内で開かれ、今年の春闘が事実上スタートした。連合によると、経団連の榊原定征会長は「賃金引き上げのモメンタム(勢い)を今年も継続していき、収益拡大企業などには“年収ベースの賃金引き上げ”への前向きな対応を呼び掛けて行く」と述べた。また、「働き方改革」では長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現が大きな柱になる、との認識を明らかにした。
これに対して連合の神津里季生会長は、世の中全体へのメッセージの発信、労使関係のバネ力を原点にする、「働き方改革」の3点を問題提起。メッセージの発信では、「世の中全体への波及効果と消費購買力の底上げを担保できるのは月例賃金の引き上げにほかならない」と強調し、今年もベースアップにこだわる姿勢を鮮明にした。働き方改革では榊原会長と同じ認識を示した。
この日の話し合いを受けて連合は3日、都内で「闘争開始宣言2.3中央総決起集会」を開く。