ニュース記事一覧へ

2017年1月25日

定年引上げ企業の実例を学ぶ  JEEDの生涯現役シンポジウム

 独立行政法人の高齢・障害・求職者支援機構(JEED)は25日、都内で2016年度「生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」を開いた=写真。今回のテーマは「定年引き上げ企業に学ぶ」。13年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法では、企業に65歳までの社員の雇用確保義務を課したが、まだ十分浸透していないことから、先進企業の取り組みを紹介したもの。

n170125_1.jpg 同機構の浅野浩美・雇用促進・研究部長が「定年引上げ企業に学ぶ」と題して講演。企業の8割弱が定年年齢を60歳にしたまま、65歳まで再雇用措置などで対処しており、「65歳定年」を実施している企業は2割もない実情を紹介した。

 また、同機構が昨年、「65歳定年企業」55社に対して実施したヒアリング内容を紹介しながら、「高齢社員のモチベーションが向上しており、戦力化の効果はあるが、効果をさらに上げるためには継続的な見直しが必要」と強調した。

 先進企業の取り組み事例として、金沢春康・サトーホールディングス人財開発部長、竹舛啓介・サントリー人事部課長、星野浩隆・野村証券人事企画部長の3人が65歳への定年延長の実施にあたって直面した課題と効果について報告した。

 パネルディスカッションでは内田賢・東京学芸大学教授をコーディネーターに、定年延長に踏み切った理由、その結果変わったこと、何が最大のポイントになるか、などについて意見交換した。パネリストの意見が大筋で一致したのは、社長らトップの決断がカギになること、高齢社員のヤル気にバラつきがあり、それをどう評価に反映するかといったことで、定年延長に対する現場ならではの悩みや課題が浮き彫りになった。
 

PAGETOP