製造派遣・請負事業の業界団体、日本生産技能労務協会(JSLA、清水竜一会長)は18日、都内で2017年新春講演会・会員交流会を開き、会員企業を中心に全国各地から約300人が参加した=写真。
清水会長は、昨年暮れの「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)に政府が提示・公表した「同一労働同一賃金ガイドライン案」について、「皆さんの関心は極めて高いと思う」との認識を示し、「技能協としては派遣法改正に伴うキャリア形成事業もあり、今後は単なるマッチングにとどまらず、社員の就労管理などビジネスモデルの高度化が一層重要になる」とあいさつした。
講演会では、内閣官房働き方改革実現推進室・厚生労働省企画官の河村のり子氏が、政府のガイドライン案について解説。また、ランスタッドEAP総研の川西由美子所長が「製造請負・派遣業における職場の活性化策」と題して講演した。
河村氏は、パートなど有期雇用労働者の基本給、賞与などの各種手当、福利厚生といった点について、正社員との格差是正をどのように図るか説明。派遣労働者に関する諸課題については、今後、ガイドライン案を踏まえた議論を深めていく中で整理されていくとの見通しや、現時点における法整備の日程感などを紹介した。
川西氏は心理学的技法である「解決志向」に基づくコンサルティングの第一人者で、この日は自動車メーカーの職場環境を改善させた「ジャンプアップ活動」など、自ら手掛けた好事例を紹介し、「声掛け」の重要性などを強調した。