東京商工リサーチが27日発表した「介護離職」に関するアンケートによると、過去1年間(15年11月~16年10月)に介護離職した社員の発生した所は724社で、調査対象7391社の9.8%を占めた。企業規模別では資本金1億円以上では離職者の出たところが244社(同11.3%)、1億円未満では480社(同9.1%)となり、大企業の方が離職者の発生割合が高かった。
将来的に介護離職が増えるかどうか予想を聞いたところ、「増えると思う」が7割以上の5272社にのぼり、「変わらない」は25%の1866社にとどまった。また、仕事と介護の両立支援策について、企業の取り組みぶりを聞いたところ、「十分でない」と答えた企業が5358社あり、取り組みの遅れが浮き彫りになった。
政府は「介護離職ゼロ」を目標に掲げているものの、今回の調査を見る限り、企業側の取り組みは端緒についたばかりのようだ。