厚生労働省は27日、2015年度における企業の割増賃金不払い残業の是正結果を発表した。それによると、1348企業に対して、99億9423万円の支払いを指導した。前年度より19企業増え、支払い額は42億5153万円減った。対象労働者数は9万2712人で、やはり11万795人の減少。
このうち、1企業での最高支払い額は金融業の1億3739万円で、協同組合の1億1368万円、電気機械器具製造業の9009万円が続いた。
集計は、全国の労働基準監督署が労働者からの申告などに基づいて監督指導した結果で、1企業で100万円以上の事案のみを対象にしているため、実際にはもっと多額に上るとみられる。
この10年間における割増賃金の不払い是正は、09年度以降は企業数1200~1400社で、支払い額は100億円を超えていたが、15年度に100億円を割り込んだ。