自民党の働き方改革特命委員会(委員長・茂木敏充政調会長)は15日、長時間労働の抑制や同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の処遇改善を盛り込んだ中間報告をまとめた。来週にも安倍晋三首相に提出する。
報告書によると、働き方改革実現のための制度改正として、(1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、(2)時間外労働の上限規制のあり方など長時間労働の是正、(3)女性の活躍など、柔軟な働き方への環境整備、(4)希望する分野への就労に向けた人材育成、(5)病気の治療などと仕事の両立、(6)外国人労働力の活用――の6項目を挙げ、提言内容を整理している。
このうち、(1)については「賃金(基本給をはじめ、賞与や各種手当)だけでなく、教育訓練や福利厚生などを含め、同一労働同一賃金の中で対応を図る」としたうえで、基本給は職業能力や職務内容、勤続年数などに応じて決まるが、正社員と実態に違いがない場合は同じ支給額にすること。通勤手当や出張旅費、食事手当は正社員と同じにすること。役職手当は役職や責任が正社員と同じであれば、役職手当もそろえる必要がある――などと求めている。
また、ガイドライン案を作成し、法改正の立案作業を進めて、早期に国会に改正法案を提出するよう主張している。
(2)については、労働基準法を改正し、労基法36条に基づき、制限のない残業を事実上認めている労使協定「36(サブロク)協定」に関し、協定があっても超えることの出来ない罰則付きの上限を設けることを明記。このほか、終業から始業までの間に一定の休息時間を確保する「インターバル規制」については、「将来的に導入を進めていくための環境整備が必要」とした。