経団連が9日発表した2015年度(第60回)福利厚生費調査によると、社員1人対する月平均の福利厚生費(企業負担のみ、加重平均)は11万627円(前年度比2.1%増)の過去最高となり、6年連続で増えて初の11万円の大台を突破した。現金給与総額も57万739円(同1.2%増)と6年連続で増えたが、福利厚生費の伸び率が高いことから、給与に占める比率も19.4%の過去最高に達している。
福利厚生費のうち、法定福利費(健康保険、厚生年金など)は8万5165円(同2.0%増)、法定外福利費(ヘルスケアサポート、子育て支援など)は2万5462円(同2.3%増)となり、法定外が06年度以来9年ぶりのプラスに転じた。
経団連加盟企業は大手メーカーが中心で、労組の力も強いことなどから、企業が負担する福利厚生費も増加傾向にあるが、経団連はこれまで総人件費の抑制を基本に据え、負担の少ない非正規社員を増やしてきた経緯がある。今後は、慢性的な人手不足を背景に、優秀な人材獲得の観点から、福利厚生を非正規社員にも広げることが予想される。
調査は会員企業1646社を対象に実施、有効回答は667社。平均社員数は4583人、平均年齢は41.6歳。