厚生労働省は29日、11月の「過重労働解消キャンペーン」の一環として6日に実施した「相談ダイヤル」の結果を発表した。合計712件の相談があり、主な内容は「長時間・過重労働」が半数近い340件を占め、「賃金不払い残業」が305件、「休日・休暇」が53件など。業種は製造業103件、保健衛生業101件、商業89件など。
具体的には「定時前に3時間、定時後に6時間程度の残業をしており、月の残業時間が200時間を超えている。労働時間は自己申告により管理されているが、36協定で定める時間を超えてしまった場合は、上司が労働時間を書き直している」(不動産会社社員)、「管理監督者だが、部下の残業時間を36協定の範囲内に収めるため、月160時間を超える残業を行っている。管理監督者なので、基本給以外に管理職手当しか支払われていない」(金属製品製造会社社員)など、残業を規制するはずの36協定の形がい化をうかがわせる相談が目立った。
厚労省はこれらの相談のうち、労働基準関係法令上、問題がある事案については労働基準監督署に情報提供し、監督指導を実施することにしている。
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