「外国人技能実習適正実施法」などの成立を受けて経団連は21日、「外国人受入促進に向けた基本的考え方」を発表した。考え方では、少子高齢化に伴う労働力減少に対応するため、「日本の活力の維持・強化にとって、外国人材の受け入れ促進は不可欠」との基本認識に立ち、IT技術者などの「高度人材」や、介護福祉士などの「社会・生活基盤人材」の受け入れ促進を求めている。
高度人材については、「高度人材ポイント制の拡充」「永住許可に係る在留要件の緩和」「留学生の就職支援強化」など。社会基盤人材については、「製造業の外国人受け入れ事業の見直し」「介護福祉士の年間受け入れ枠の拡大」などの公的政策を要請。同時に、教育、医療、行政サービスといった「多文化共生政策」への政府の取り組みを求める一方、企業側も「ダイバーシティー(多様性)経営の推進」「長時間労働の是正」などの課題を挙げた。
ただ、外国人の受け入れ促進は、いずれは欧米と同様な「移民問題」が生じる可能性もあることから、「一般的な移民受け入れ問題について棚上げすることなく、将来に向けての検討課題とする」としている。
同法では認可法人の外国人技能実習機構(仮称)を創設。新機構は公布とともに設立され、対象職種の拡大や廃止などの見直し、実習期間の延長規定などを検討することになっている。