日本生産技能労務協会・物流部会(道上良司部会長)は13日、都内で第3回「物流人材サービス特別セミナー」を開いた=写真。物流の人材事業に携わる現場担当者や発注先の企業関係者らが全国各地から集まり、東京労働局の井上英明需給調整事業部長と業界全体に精通している安西愈弁護士の講演を通して、実務に役立つ最新の動向や業界のけん引役としての意識を高めた。
同部会は、技能協の全面的なサポートを受け、2014年に業界8社でスタート。現在14社が参画しており、さらに会員加入の輪が広がっている。
冒頭、技能協の清水竜一会長は、「縁があって迎え入れた働く人が長く定着し、仕事を通してスキルや能力を向上することのできる仕組みづくりが重要性を増している。それには発注者側の理解と協力が不可欠であり、ともに力を合わせてより良い環境を構築していきましょう」と呼び掛けた。
井上氏は「労働力需給調整事業の現状と課題」と題して、東京労働局管内の指導監督の状況や最近の行政処分の傾向や事例を説明。また、指導監督における本年度の4つの重点事項を解説し、「派遣元と派遣先の自己点検チェックリストを東京労働局のホームページで公開しているので活用してほしい」と述べた。
安西弁護士は「物流人材派遣を活用する派遣元・派遣先のための実務対応~改正労働者派遣法で派遣先の義務の強化・拡大」と題し、(1)物流業におけるアウトソーシング、(2)日雇い派遣をめぐる問題、(3)派遣可能期間についての改正、(4)特定有期派遣労働者の派遣元における雇用安定措置、(5)派遣労働者に対するキャリアアップ措置――の5つの切り口から、現場に即した事例で丁寧に説明した。
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