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2016年10月 3日

連合の逢見事務局長が特別講演  濱口、水町、佐藤の3氏は旬のテーマで講演  サポートセンターの「雇用問題フォーラム」、8年間の集大成

n161003_1.jpg NPO法人、人材派遣・請負会社のためのサポートセンター(高見修理事長)主催の2016年雇用問題フォーラム「これからの雇用社会と人材サービスの役割」(アドバンスニュース協賛)が3日、東京・アルカディア市ヶ谷で開かれた=写真。今年4回目で、同センターの8年間にわたる活動としては「集大成」の位置づけとなるフォーラムとあって、参加者は定員の300人を大きく超えた。

n161003_2.jpg この日は逢見直人・連合事務局長=写真=が特別講演(時局講演)し、雇用関係では濱口桂一郎・労働政策研究・研修機構主席統括研究員が「労使関係と人材サービス」、水町勇一郎・東大社会科学研究所教授が「労働法制改革と人材サービスの課題」、佐藤博樹・中央大大学院戦略経営研究科教授が「企業の人材活用と人材サービス業」と題して講演した。
 
 逢見氏は、アベノミクスの「三本の矢」について冷静に分析し、「第三の矢」として注目されながら効果が出ない成長戦略を指摘。今後の焦点となる「働き方改革」における労働時間のインターバル規制、労働基準法の36(さぶろく)協定など、一連の見直しに対しては労組側としても本格的に取り組む姿勢を強調した。

 今年の勉強会全体を通して登壇した濱口氏は、日本における労使関係の歴史をたどり、その中で、労働市場という視点において戦後は多くの労組が労働力の需給調整機能を持たなかった点などを説明。そのうえで、日本に根付かなかったジョブ型基幹的労働市場の構築について、「人材サービス業にその役割を果たす可能性が垣間見える」と述べた。

 水町氏は、改正労働契約法の無期転換ルール、改正労働者派遣法の期間制限ルール、改正育児介護休業法の介護休業の分割取得など、人材サービス業界にも大きな影響を及ぼす改正内容を解説したうえで、業界の真しな努力を求めると同時に、「育介法の改正などは専門性の高い派遣需要を喚起する可能性がある」と役割のひとつの切り口を示唆した。

 佐藤氏は、企業の人事管理にとって「複眼的視点」が必要として、雇用規模や職業能力の向上には内部人材と外部人材の柔軟な組み合わせが新たな課題になる点を強調。それに合わせ、「企業も社員もキャリアチェンジの必要性が高まる」と述べ、その役割を担う人材サービス業界に責任の重さと期待感をにじませた。

n161003_3.jpg この後、講演した濱口、水町、佐藤の3氏が一緒に登壇=写真=し、会場からの質問に回答したり、見解を述べたりする時間を設け、双方向の深掘りを展開した。 


(後日、「インタビュー&スペシャル」の欄で詳報します)
 

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